自然体の奥義 [囲碁、将棋]
my challenger's log Ⅱ 2冊目
皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。
my challenger's log 一冊目は、
こちら
http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/
より閲覧願います。
「勝つ一手」より「信念の一手」…入門初日に師匠に勝った藤井聡太が克服した“弱点”
引用記事全文
http://www.sankei.com/life/news/170628/lif1706280014-n2.html
藤井聡太4段が、将棋史に残る快挙、29連勝を成し遂げた。何よりもすごいのは、14歳で身に着けた将棋技術より、自然体で指す、という人間力である。
今回の連勝記録の第一局を指した加藤一二三先生によれば、藤井4段は、一手一手、自然な手を指して、局面を優位に導く。ここでこの手を指せば、私のほうが優位であった、という局面がなかったと言う。
戦国時代、江戸時代初期にかけての剣聖、剣豪たちは、生涯をかけて、自然体の奥義を極めた。禅の修行を通し、剣禅一致の境地を求めた。
藤井聡太14歳が、自然体で指すという境地に少しでも近づいているとすれば、驚嘆に値する。将棋の才能より、その身に着けた人間力に脱帽である。
将棋史に残る熾烈な名勝負は、やはり、升田対大山であろうか。
剣豪に例えれば、升田が佐々木小次郎、大山が宮本武蔵であろうか。切れ味鋭い升田、二枚腰の大山である。
升田は、「新手一生」を座右の銘とし、角使いの名手であった。大山は。「運、鈍、根」をモットーとし、金使いの名手であった。
藤井4段は、不利な局面を跳ね返した2局から見ると、桂馬の使い方が抜群のようだ。
将棋の先生方は、武蔵の「五輪の書」をよく読まれると聞く。故米長永世棋聖は、30代から10年に一度ずつ読んで、60代になって漸く武蔵の心境が解かりかけてきたという。
柳生新陰流の極意に無刀取りがある。相手の剣に対し、剣を持たずに戦う究極の剣法である。
剣の技術の研鑽を超えて、心の鍛錬が相手の剣を抑える。柳生石舟斎は京都、妙心寺にて、禅の修業を極めた。剣禅一致の極意で生み出された活人剣の剣法で無刀取りの遣い手であったという。(津本 陽、柳生兵庫助)
幕末、剣禅一致、武刀流を極めた、山岡鉄舟は、「無刀流とは、心外に刀無きを無刀という。無刀とは無心と言うが如し。 無心とは心をとどめずという事なり。心をとどむれば敵あり、心をとどめざれば敵なし」と言う。
無心には、心の迷いがない。心をとどめないから、相手は心の動きを読むことは出来ない。切っ先の間合いや動きを計り知ることが出来ないのだと言う。
勝負は、無心の一手が局面を左右する。迷いや欲を越えた境地が勝負を制する。研鑽を続けたもののみに、勝負運が微笑むのだろうか。
鉄舟は、剣と禅の道を極め、「すべてが心によって決まる。心がすべてだ。心のほかに何もない。もちろん心のほかに刀があるというものではない。 だから拙者の剣道を「無刀流」と名づけたのだ」という。
明治維新、江戸無血開城の原動力となった山岡鉄舟は、無刀流の開祖であった。
幕末の時代、剣聖と言われた男達が修業で到達した境地が剣禅一致である。
将棋の先生方は、武蔵の「五輪の書」をよく読まれると聞く しかし、米長永世棋聖は、30代から10年に一度ずつ読んで、60代になって漸く武蔵の心が解かりかけてきたという。
勝負は、無心の一手、自然体の一手が局面を左右する。迷いや欲を越えた境地が勝負を制する。研鑽を続けたものに、勝負運が微笑むのだろうか。
最近のAI、人工知能を搭載した将棋ソフト、囲碁ソフトは、日本及び世界のプロ棋士たちを凌駕する。藤井4段も、自身の棋力レベルアップにAI将棋を研究していると聞く。
2014年、将棋電王戦でAIソフトと戦った船江五段は、「人間の弱さ」と闘いながら、神の一手に近づこうとする。その姿こそが、将棋の最大の魅力だと言う。
人間対人間の勝負は、勢いと気迫が勝ったほうが勝つ。敵は相手ではない。「敵は我にあり」、まさに自分なのだ。
「さわやかに勝つ」、米永邦夫永世棋聖がよく言われた。棋理に反した手や、スジの悪い手を打つくらいなら、潔く負ける。逆にいえば、何が何でも勝ちにいくと、こんな綺麗ごとは言っていられないのかも知れない。
ここに、棋士たちの持つ人間性がある。滲みでる品格がある。
20歳の囲碁名人、井山裕太さんを育てた石井九段は、盤外の礼儀を厳しく教えた。対局開始の「お願いします」から終了時の「ありがとうございました」まで礼を失することは許さなかったという。
大勝負を制するのは、よほどの精神力、人間力がないと難しい。かっての坂田栄男、加藤正夫氏も若くして囲碁の名人挑戦者になるも敗退を続け、その後名人になるまで10年の歳月を要した。
この10年は、技術だけではなく、不屈の精神力と自然体の鍛練であった。
それは、かっての升田幸三名人がいう、「人生の間合いと、遊び心」に通じるのかもしれない。
Youtube 動画再生 藤井4段 竜王戦
参考書籍
ノーベル賞学者、益川流、無駄と遊びの効用を説く。
何故かジャズ されどジャズ
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「勝つ一手」より「信念の一手」…入門初日に師匠に勝った藤井聡太が克服した“弱点”
引用記事全文
http://www.sankei.com/life/news/170628/lif1706280014-n2.html
藤井聡太4段が、将棋史に残る快挙、29連勝を成し遂げた。何よりもすごいのは、14歳で身に着けた将棋技術より、自然体で指す、という人間力である。
今回の連勝記録の第一局を指した加藤一二三先生によれば、藤井4段は、一手一手、自然な手を指して、局面を優位に導く。ここでこの手を指せば、私のほうが優位であった、という局面がなかったと言う。
戦国時代、江戸時代初期にかけての剣聖、剣豪たちは、生涯をかけて、自然体の奥義を極めた。禅の修行を通し、剣禅一致の境地を求めた。
藤井聡太14歳が、自然体で指すという境地に少しでも近づいているとすれば、驚嘆に値する。将棋の才能より、その身に着けた人間力に脱帽である。
将棋史に残る熾烈な名勝負は、やはり、升田対大山であろうか。
剣豪に例えれば、升田が佐々木小次郎、大山が宮本武蔵であろうか。切れ味鋭い升田、二枚腰の大山である。
升田は、「新手一生」を座右の銘とし、角使いの名手であった。大山は。「運、鈍、根」をモットーとし、金使いの名手であった。
藤井4段は、不利な局面を跳ね返した2局から見ると、桂馬の使い方が抜群のようだ。
将棋の先生方は、武蔵の「五輪の書」をよく読まれると聞く。故米長永世棋聖は、30代から10年に一度ずつ読んで、60代になって漸く武蔵の心境が解かりかけてきたという。
柳生新陰流の極意に無刀取りがある。相手の剣に対し、剣を持たずに戦う究極の剣法である。
剣の技術の研鑽を超えて、心の鍛錬が相手の剣を抑える。柳生石舟斎は京都、妙心寺にて、禅の修業を極めた。剣禅一致の極意で生み出された活人剣の剣法で無刀取りの遣い手であったという。(津本 陽、柳生兵庫助)
幕末、剣禅一致、武刀流を極めた、山岡鉄舟は、「無刀流とは、心外に刀無きを無刀という。無刀とは無心と言うが如し。 無心とは心をとどめずという事なり。心をとどむれば敵あり、心をとどめざれば敵なし」と言う。
無心には、心の迷いがない。心をとどめないから、相手は心の動きを読むことは出来ない。切っ先の間合いや動きを計り知ることが出来ないのだと言う。
勝負は、無心の一手が局面を左右する。迷いや欲を越えた境地が勝負を制する。研鑽を続けたもののみに、勝負運が微笑むのだろうか。
鉄舟は、剣と禅の道を極め、「すべてが心によって決まる。心がすべてだ。心のほかに何もない。もちろん心のほかに刀があるというものではない。 だから拙者の剣道を「無刀流」と名づけたのだ」という。
明治維新、江戸無血開城の原動力となった山岡鉄舟は、無刀流の開祖であった。
幕末の時代、剣聖と言われた男達が修業で到達した境地が剣禅一致である。
将棋の先生方は、武蔵の「五輪の書」をよく読まれると聞く しかし、米長永世棋聖は、30代から10年に一度ずつ読んで、60代になって漸く武蔵の心が解かりかけてきたという。
勝負は、無心の一手、自然体の一手が局面を左右する。迷いや欲を越えた境地が勝負を制する。研鑽を続けたものに、勝負運が微笑むのだろうか。
最近のAI、人工知能を搭載した将棋ソフト、囲碁ソフトは、日本及び世界のプロ棋士たちを凌駕する。藤井4段も、自身の棋力レベルアップにAI将棋を研究していると聞く。
2014年、将棋電王戦でAIソフトと戦った船江五段は、「人間の弱さ」と闘いながら、神の一手に近づこうとする。その姿こそが、将棋の最大の魅力だと言う。
人間対人間の勝負は、勢いと気迫が勝ったほうが勝つ。敵は相手ではない。「敵は我にあり」、まさに自分なのだ。
「さわやかに勝つ」、米永邦夫永世棋聖がよく言われた。棋理に反した手や、スジの悪い手を打つくらいなら、潔く負ける。逆にいえば、何が何でも勝ちにいくと、こんな綺麗ごとは言っていられないのかも知れない。
ここに、棋士たちの持つ人間性がある。滲みでる品格がある。
20歳の囲碁名人、井山裕太さんを育てた石井九段は、盤外の礼儀を厳しく教えた。対局開始の「お願いします」から終了時の「ありがとうございました」まで礼を失することは許さなかったという。
大勝負を制するのは、よほどの精神力、人間力がないと難しい。かっての坂田栄男、加藤正夫氏も若くして囲碁の名人挑戦者になるも敗退を続け、その後名人になるまで10年の歳月を要した。
この10年は、技術だけではなく、不屈の精神力と自然体の鍛練であった。
それは、かっての升田幸三名人がいう、「人生の間合いと、遊び心」に通じるのかもしれない。
Youtube 動画再生 藤井4段 竜王戦
参考書籍
勝負 (中公文庫) | |
升田 幸三 中央公論新社 2002-09 売り上げランキング : 251076 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ノーベル賞学者、益川流、無駄と遊びの効用を説く。
益川流「のりしろ」思考 | |
扶桑社 2009-09-29 売り上げランキング : 622 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
柳生兵庫助(1)~(8) (文春文庫) | |
津本 陽 文藝春秋 1991-11 売り上げランキング : 582928 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
禅と武士道―柳生宗矩から山岡鉄舟まで | |
渡辺 誠 ベストセラーズ 2004-09 売り上げランキング : 93106 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
山岡鉄舟の武士道 (角川ソフィア文庫) | |
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「五輪の書」がよ~くわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book) | |
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何故かジャズ されどジャズ
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2017-07-02 00:06
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