SSブログ

今、この瞬間を生きる『而今(にこん)』 [社会]



皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。


『而今(にこん)』 禅語である。

 「今この瞬間」は二度と戻らない。今、生きている現実は、この瞬間しかない。「今」この瞬間を大切に、丁寧に生きねばならない、という教えである。

「徒然草」第百八段に、「寸陰惜しむ人なし、これよく知れるか、おろかなるか」がある。

 ちょっとの時間を惜しむ人はいない。「時、人を待たず」をよく知っている人なのか、惜しむことを知らない愚かな人なのか。ちょっとの間を無為、無策に過ごし、これがずっと続けば、命が終わる時が立ちどころにやってくるであろう、という戒めに続く。

 時間の矢は、過去、現在、未来へと、一方向にしか流れない。時間は、止まることはないので、この一瞬、一瞬を大切に生きねばならない。

 矢沢永吉の歌に「時間よ止まれ」があるが、夢か現か、時間が止まればいいなと思う時があるが、停滞は進歩なき死である。

 時間を止めて、巻き戻すことは出来ない。ここに、厳然と、熱力学第2法則の不可逆性が立ちはだかる。

 熱は熱い方から、冷たい方へ流れる。冷たい方から熱い方へは流れない。雪だるまが溶けてなくなる理屈であるという。

 この温度差がなくなるよう、この拡散のエントロピーは常に最大の方向へ動く。

 「エントロピーとは、乱雑さ(ランダムさ)を表す尺度である」という。

 雪だるまが溶けてなくなる時が、熱力学的平衡状態になり、エントロピー最大となり、終焉する。形あるものが、なくなる時、命が終わる時である。

 この不可逆性が時間をも支配する。秩序あるものは秩序なき方へ、形あるものは、時を経て崩壊する。人の命、すべての生物もこの定めの中にあるが、ある一定期間、命が続く限り、エントロピー排除の方向へ動く。

 『「生命とは、(熱力学的学的平衡を超えた)動的平衡にある流れである」「(生命の)秩序は、守られるために絶え間なく壊されなければならない」』 福岡伸一 「生物と無生物のあいだ」

 わかりやすく言えば、人間は、負のエントロピーを食べて、老化に抗しているという。


 しかし、宇宙の絶対原理、あの「エントロピー増大の法則」を回避することは出来ない。命には限りがある。

 宇宙から頂いた命、自然や隣人から生かされている命、そのために、よりよく生きねばならない。

 人生は長いようで短い。「今何をすべきか」をよく考え、無為、無策、怠惰に、時を過ごさぬよう勇気と夢をもって、揺るぎなき前進をしたい。


参考図書




nice!(334) 

nice! 334

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。