SSブログ

災、生き延びる叡智 [社会]

my challenger's log Ⅱ 2冊目

 皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。


 「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのごとし。」

 方丈記、書き出しの名文である。800年も前に、鴨長明さんが書いたこの書き出しは、いみじくも現代の、エントロピー増大の法則を言い当てて妙である。

 さらに、長明さんは、「知らず、生まれ死ぬる人、何方より来りて、何方へか去る」と言い、人の命の根源を問いただす。

 鴨川の流れをじっと見つめ、人の世と栖のはかなさを歌い上げた人間への賛歌と不条理の深い洞察であろうか。


 時として、人生は不条理というが、太陽は万人を平等に照らす。人は、自然の恵みと他者の支えにより生かされている。

 吉野弘さんの詩に、

 「生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい」

 「生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ」がある。

 人は、他者より支えられて存在することに気づき、自然の恵みや他者への感謝、礼儀を忘れないで欲しい。


 今年の漢字は「災」だという。地球温暖化や自然災害の多発が理由である。

 ”災”、我々は生き延びるための叡智を持っているのだろうか。人間たちのすさまじいエゴと大国の理不尽な横暴によって、緑豊かな地球は浸食、破壊されてゆく。

 地球を食いつぶす愚かな人間たちに比し、森林の樹木たちは、害虫や病気、旱魃などで降りかかる災害を生き延びる知恵を持っているという。

 植物は脳を持たないが、樹木たちは、環境変化に対応する学習能力を持っているという。脳の働きを代行する何かを持っているのだろうか。目からうろこである。

 樹木たちは、葉や枝を隣の木の領分にまで伸ばさない。樹木たちは仲間を気遣い共存する術を持つ。

 樹木たちは、害虫や外敵に対し、芳香、有害物質を出し、土中の根は、電気信号を出して、災害を警告するという。生き延びるため、仲間を気遣うコミニュケーション手段を持つ。


 脳を持たぬ樹木たちに出来て、何故脳を持つ人間たちに出来ないのだろうか。

 人間は、地球を守る、わずか3ミリ程度のオゾン層と、緑豊かな大地に恵まれて生きている。

 地球誕生の46億年前には、太陽からの紫外線が地球上を覆っていた。 したがって、生物は紫外線の届かない海中でしか暮らせなかった。

 46億年の長い間、光合成が繰り返され酸素が増えてオゾン層が形成された。シダや苔、樹々たちの光合成で酸素が増え、生き物たちは、海中から陸へ上がったとされる。人間のDNAに刻まれる渚の記憶である。

 オゾン層の破壊や熱帯雨林の激減が止まらない。

 人口増を賄うため、森林伐採と無節操な焼き畑農業により、肥沃な大地から、養分と水分が失われ、砂漠化が進む。

 ブラジル、アマゾン川流域の世界最大の熱帯雨林では、この50年で約5分の1が消滅したと聞く。

 自然の循環再生サイクルが、人間の人口増に追いつかないのだ。

 現在の世界人口は約75億人、立花隆さんは、地球が人口を賄えるキャパシティーは50億人くらいだという。
 
 世界の人口増加は、人間を含め、動植物に対応する地球が持つ生命維持のキャパシティーをはるかに超えてしまった。

 キリマンジャロの万年雪は、地球温暖化のため、ここ100年で95%が消滅したという。 

 アフリカやアフガニスタン等々は、今から50年ほど前までは、緑豊かな大地であった。それが今では、砂漠化とテロの不毛の地と化しつつある。

 このかけがえのない環境を破壊するのも、大国の身勝手な国益と人間の際限のない欲望とエゴであろうか。地球環境の破壊は、このツケが回った自業自得ではなかろうか。

 2004年にノーベ ル平和賞を受賞したケニア、副環境大臣のワンガリ・マータイさんは、日本語の 「 もったいない 」 という言葉には、地球環境の大切さを訴える力があると言った。

 命が生き延びるため、「天然資源を大切に、ムダ使いをやめ、世界の人々と平等に分かち合っていくことを願う」という。

 我々にできることは何か。身近な小さなことでも良い。できることから始めたい。


 新しき年に向かって、生き抜くために、心の軸足と、身体の軸足をしっかりと身につけたいものだ。

 今年一年、お忙しいさ中にも、いつも本ブログを応援して頂き有難うございました。来年も宜しくお願い致します。


 今年もあと僅か、新しき年が、実り豊かな年でありますように祈ります。

 どうぞ皆様、お元気でご健闘の上、良いお年をお迎え下さい。



参考図書

 





何故かジャズ されどジャズ

 

 
  


nice!(264) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。