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選択の不条理 [社会]



my challenger's log Ⅱ 2冊目

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 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。





 ミャンマーの半世紀に渡り続いた軍事政権が、アウンサー スーチー派勝利により政権交代可能の兆しが見えてきた。

 人間の自由への強い意志の勝利であろう。


 11/11(水) NHK Eテレで、「100分で名著」 サルトル 「実存主義」を紹介する。

 遠い日、先の大戦で、抑圧、蹂躙された”自由”を高らかに謳いあげた「実存主義哲学」が世界の若者たちを熱狂させた。

 人間の条件と自由を、深い常識の真理として追究したサルトル哲学は、当時の知識人たちの圧倒的支持を受けた。

 人間の高貴なる精神は、常に自由と貢献へ向かう。

 なかでも、選択の不条理を追求した、アルベール カミユは、アルジェリア出身で、アルジェの強烈に焼きつく太陽の光の中に、時代と人間存在の不条理を描いて魅せた。

 ノーベル文学賞を受けた時代の良心は、カミユの自動車事故により不条理にも不測の事故死で幕が下りた。


 選択には常に不条理が付きまとう。

 マイケル・サンデルに、「アフガニスタンのやぎ飼い」がある。偵察部隊が遭遇した、やぎ飼いの少年を、解放するか、殺すか選択を迫られる。善良な市民と判断し逃がすが、その後部隊は襲撃され、部隊が全滅する話だ。



 アルベール カミユ  短編集、 「客」


 雪に閉ざされた高原の小学校に、一人住む教師ダリュ。

 そこへ老憲兵が、一人のアラビア人殺人犯を連れて、暫く預かれ、とやって来る。

 憲兵は、アラビア人を置いて山を下りて行った。

 ダリュは、この男を、警察に渡すか、逃がすか、思い悩む。
 
 ダリュは、アラビア人を連れて峠に出て、山を降りる二つの道を示す。

 一つは警察へ、一つは自由の道へ出る、と言い、アラビア人を釈放した。

 ダリュは自らの選択をアラビア人に委ねた。

 ダリュが教室へ戻ると、黒板に、

 「お前は兄弟を引き渡した。必ず報いがある」と書かれていた。


 選択の不条理を、カミユは見事に描いて魅せた。

 遠い日、若者たちが熱狂した、サルトル、カミユ、ボーボアールの一時代があった。



 理不尽と不条理と正義が錯綜する。ここにも選択の不条理があった。

 国家が、社会と精神の貧困に切り込み、イスラム国等のテロを解決する方策はないものなのだろうか。

 
 ナイス、コメント欄は閉じております。御了解下さるようお願い致します。


参考書籍


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