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波に乗る、時流を見る! シャープ解体の危機 [政治 経済 ]

my challenger's log Ⅱ 2冊目

 皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。


 台湾・鴻海の軍門に下ったシャープは「信義」は守れるのか? ジャーナリスト・北沢栄 引用記事全文
 http://www.sankei.com/column/news/160228/clm1602280008-n3.html

 曲折の先に(上)
 シャープ、薄氷の全会一致、異例の2度決議…なおくすぶる不信感
 引用記事全文
 http://www.sankei.com/west/news/160226/wst1602260010-n3.html


 曲折の先に(中)
 シャープの“成功体験”液晶依存脱却できず…傷口広げた経営の不作為
 引用記事全文
 http://www.sankei.com/west/news/160227/wst1602270016-n3.html

 曲折の先に(下)
 いつか来た道回避目指した再編頓挫…産業構造転換の試金石か

 引用記事全文
 https://blog.so-net.ne.jp/MyPage/blog/article/edit/input?id=88419716


 「世界の亀山ブランド」として、 シャープの液晶事業が、世界を席巻し、まさに時流に乗った時代があった。

 今から数十年前、シャープが液晶事業に舵を切った時、当時の佐々木正専務は、「10年先までの技術の大きな流れをつかまねばならない」と宣言していた。

 ソフトバンク創業前の、当時まだ無名であった孫正義氏から、電訳機の特許を1億円で買い取り、ソフトバンク創業に貢献したのも佐々木氏である。

 リーダーには、運の強さも必要である。1985年、御巣鷹山に墜落したJAL123便に搭乗予定であったが、都合でキャンセルしたため遭難を免れたと聞く。 

 副社長で身を引いた佐々木さんは、現在100歳、未だ健在だと聞く。


 ベテランの漁師は、波ではなく、潮を観ると言う。海全体を見れば、大きな潮目が見える。ここが潮の変わり目である。

 ここを見極め的確に、状況を判断しなければならない。


 シャープ 台湾ホンハイ傘下(鴻海精密工業)か?


 シャープは、液晶事業や、企業の事業方向の変わり目を、的確にとらえ、時代の大きな流れを引き寄せねばならなかった。


 会社を身売りせなばならない程、業績悪化を招いた経営陣の責任は計り知れない。サラリーマンの雇われ社長の甘さが命取りになったのではないか、とも思われる。

 一世紀に渡る企業を、身売りするのは痛恨の極みであろうか。

 台湾ホンハイ傘下になれば、ものづくりを極めた日本の技術が、台湾経由、中国に流れる危険性が大きい。

 まさに国益を損ねる大失態かもしれないのだ。


 経営の鬼と言われた、宮崎輝氏は、大学を卒業後、旭化成に入社した時に、いずれ、この会社の社長になると心に決めたと聞く。

 社長業を完遂するためには30年は必要だと言い、82歳で、ホテルで仕事中に倒れるまで会社と一体となり業績拡大に励んだ。

 休日、祭日関係なく、役員に電話をかけたらしい。ある役員が、「社長、今日は日曜日ですよ」と言うと、「君は日曜日は休むのかね」と言われたという。


 日本電産会長、兼社長、永守重信氏は、1973年、わずか4人で創業した町工場を、1兆円に迫る企業に育て上げた。


 一年364.5日会社に出勤し、陣頭指揮する。さすが一月一日、正月の午前中、半日だけは家族とともに過ごすという。

 永守重信氏は、自身の後継者選びで、元シャープ社長、片山幹雄氏を迎えた。「下手なプライドは捨てて取り組む強い気概がある」と評価している。


 企業の意志決定では、創業者の意気込みと、後継者では、決定的に相違するところがあるようだ。二代目は、失うものの大きさから、どうしても守勢に立たされる。
 
 創業者には、会社を自分の分身以上に思う、命以上のものがある。

 片山幹雄氏には、シャープの誇りと日本電産の明日を見据え、健闘してほしい。

 サラリーマン、雇われ社長は、自己を乗り越え、企業の明日の意思決定には、揺るぎない大局観と閃く直観力を発揮してほしい。


 以下、参考までに、致知出版社の「人間力メルマガ」 2016.2.27付

 「知られざるシャープの歴史、人生最大の逆境を乗り越える」

 引用記事全文
 
 ホームページアドレス ningen@chichi.co.jp


 『早川徳次という経営者をご存じでしょうか。

 いま話題になっている大手電機のシャープの創業者にあたる人物です。

 創業者には艱難辛苦を乗り越えて成功を掴んだ人物が多いが、その中でも早川徳次が遭遇した悲劇の深刻さは他に類をみないほどに凄まじいものです。


 人生最大の逆境を乗り越えたシャープ創業者の負けじ魂に日本人の底力を見る思いがします。


 『今日の注目の人』


 ◆ 人生最大の逆境を乗り越える ◆

 北 康利(作家)


 ※『致知』2011年9月号、連載「日本を創った男たち」


 大正12年9月1日午前11時58分、近代国家となって以来、経験したことのない強烈な地震が首都圏を襲った。

 お昼時だったため、そこここで火災が発生し、その熱風が渦をまいて強烈な上昇気流となった。

 徳次の家のある本所のあたりは蒸し焼き状態となり、家も工場も一度に失った。


 そして彼の家族である。


 火が出た際に子供たちをかばったため、妻・文子は全身に大火傷を負っていた。

 炎と熱風に追われるようにして油堀(深川にある十五間川の通称)の中へと避難し、流されないよう堀の中の杭にすがりついた。


 6歳になる克己をおぶって9歳の煕治をかかえているのはつらい。


 だが、いくら待っても火の勢いは収まらない。


 意識が朦朧(もうろう)としてきた。ふと背中が軽くなったと思ったら、背中の克己が流されていった。 慌ててつかまえようと手を伸ばした途端、こんどは煕治が流されていった。


 もう錯乱状態である。


 その後、どこをどうさまよったのか、避難所となっていた岩崎別邸で徳次と再会した時には、息も絶え絶えになっていた。


 「すみません、子供たちを……」


 そう苦しそうに言うと、あとはただ泣くばかり。そして彼女も、この2か月後に子供たちの後を追ってあの世へと旅立つのである。

(略)

 妻と子供、家と工場、すべてを一瞬で失っただけではない。

 そこにさらに追い打ちをかけるように、大阪の日本文具製造という会社(中山太陽堂の子会社)が借金を返すよう迫ってきた。


 財産を失った徳次に返す当てはない。

 やむなく会社を解散し、シャープペンシルの特許を無償提供し、製造機械をその会社に売却することにした。


 その点、彼は実に潔かった。


 借りた金は何としても返す。それは商売の基本である。

 今の自己破産や会社更生法などは、更生しやすいものの、商売に甘えが出てしまうのは間違いないだろう。

 特許は入手したものの、日本文具製造に技術はない。

 そこで震災の年の12月、徳次は新天地の大阪へと旅立ち、彼らの技術指導を始めることとなった。

 そして技術指導にめどが立った後の事業再開の根拠地として、大阪府東成郡田辺町大字猿山25番地(現在の大阪市阿倍野区西田辺)の235坪の土地を10年契約で借りた。


 現在、シャープ本社がある場所である。


 工費はざっと2,500円。完成した8月末日、日本文具製造を辞して再起の旗を揚げた。

 このとき徳次30歳。


 新しい工場に「早川金属工業研究所」という看板を掲げたのは、震災からちょうど一年後の大正13年9月1日のことであった。

 彼はあえてこの日を再出発の日に選んだのだ。


 人生最大の逆境にも耐え、彼は再び立ち上がろうとしていた。


 もしここで心折れていたとしたら、現在のシャープはない。

 給料を出せるかどうか分からない状態にもかかわらず、徳次を慕って多くの従業員がついて来た。

 晩年、彼は揮毫を頼まれた時、“何糞(なにくそ)”と書くことがあって人を驚かせたという。


 負けじ魂がふつふつと湧き上がっていた。』


 以上 『』 内、致知出版社、「人間力メルマガ」 2016.2.27付より引用。


 ナイス、コメント欄は閉じております。御了解下さるようお願い致します。



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