SSブログ

幡が動く [社会]

皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。



 無門和尚がまとめた「無関門」という禅の公案集がある。

『「六祖の風と幡」では、六祖は、「風が寺の幡を鳴らして、二人の僧がそれについて対論して、一人は、「幡が動いている」と言い、いま一人は、「風が動いている」と言って往復問答して理にかなわないので「それを見て」言った。

 六祖は「風が動いているのでもない、幡が動いているのでもない、あなた方の心が動いているのです」

 二人の僧は「これを聞いて」ぞっとした」

 無門和尚は、かと言って、「心が動くのでもない」と言う。

 六祖禅師の言う「心動」と無門和尚の言う「不是心動」とでは、心の意味が違います。

 六祖の「心」がただちに「風幡」そのものです。無門の「心」と「風幡」は対立しています』

 『』内 秋月龍珉著 「無関門を読む」より引用。

 「心が動くのでもない」、無門和尚の言うここがこの無関門の深遠な部分です。

 宇宙には、揺らぎとリズムがある。心も身体も常に揺らいでいる。常に心を柔軟に、しなやかに磨いておくことである。
 
 年を取ると、広角で物事を考えることができなくなる。柔軟な心と対応力を身に着けたいものである。


 厚労省ホームページ、コロナウイルス、新しい生活様式
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000633501.pdf

 世界的なコロナウイルス感染拡大と対応力を見誤らないことである。

 新型コロナウイルスは、我々が今まで見たこともない、経験したこともない危機的事態である。

 今までに見たこともない風景なので、こだわりや思い込みを捨て、重大な覚悟を以って、立ち向かわねばならない。

 封鎖等による感染防止対策は、経済や企業活動を犠牲にする。経済が立ち行かなくなれば、守る命もままならない。

 商店、観光業、企業等々の廃業、倒産も増え続ける。一日も早く感染収束を目指さねばならない。 

 ウイルスに感染しない、他者にうつさない、一人一人の協調、連帯が感染防止の要であろうか。

 人類には、様々なウイルス、感染症、戦争その他様々な苦難等々と闘い、打ち勝ってきた歴史がある。感染症を乗り越える明日への希望も見え始めてきた。

 緊急事態宣言解除により、世界が多くを失った日々と他者を思い、「新しい生活様式」に対処したい。

 しかし依然として、一旦収まったかに見えた韓国でも集団感染が続く。日本でも当然第2波、第3波のクラスター発生の危険性がある。

 ウイルスは、姿を見せず潜んでいる。見えない敵との戦いに勝たねばならない。

 感染しない、感染させない、常に他者を念頭に置き考え抜けば、コロナ収束に向かう新たな知恵が生まれるに違いない。コロナは必ず収束する。

 我々は、居住まいを正し、3密と二次感染に最大限の注意を払い、一日も早い、新しい平穏な日常が戻るよう協調したい。




参考図書詳細

一日一禅 講談社学術文庫 / 秋月竜? 【文庫】

価格:1,441円
(2020/5/27 12:14時点)
感想(0件)





禅学入門 (講談社学術文庫) [ 鈴木 大拙 ]

価格:1,012円
(2020/6/3 23:48時点)
感想(1件)






 追記 武漢コロナウイルス感染拡大と生物兵器の疑念。

 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200512-00010002-flash-peo

 https://smart-flash.jp/sociopolitics/92043

 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6359802

 https://www.recordchina.co.jp/b807488-s0-c10-d0135.html?utm_source=nifty

  https://news.yahoo.co.jp/articles/564248f93e43c863f74614c8beae769bddfe9d24
nice!(285) 
共通テーマ:日記・雑感

コロナに打ち勝つ免疫力 [国際]

皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。


 コロナウイルスは、グローバル社会の弊害として、一気に世界へ拡散した。

 https://youtu.be/2cGyWsLi4o4

 https://youtu.be/kyA1c-bsCdA

 自然破壊、環境破壊等、地球を食いつぶす不遜な人類への警鐘、天罰かもしれない。

 かって、アルベール・カミュが警鐘した小説「ペスト」があったが、コロナに打ち勝つには、人間たちの強い連帯力と免疫力が必要であろうか。

 有史以来、人類は天然痘など多くのウイルス感染症を克服した歴史を持つ。

 しかし、飽食の時代にあって、人間の体力は、やわになってきている。ウイルスに対する免疫力、抵抗力をつける必要がある。

 人間の体内に侵入してくる細菌等を防御するマクロファージと言う白血球の一種がある。健康の見張り役と言われる。

 これに働きかける免疫ビタミンLPSは、がん、アルツハイマー、うつ、感染症等々、多くの病の防波堤になる。

 めかぶ、わかめ、ひじき、明日葉、そば、ライ麦等々に多く含まれているという。

 植物が持つ、紫外線や外敵から自らを守るために有しているファイトケミカルには、色素、香り、辛み、苦み等々がある。

 活性酸素に対する抗酸化力を持ち、免疫力、対炎症力を向上させる野菜の成分である。これらの成分は、野菜スープにすると、もっともよく体に吸収され易くなるという。

 ハーバード式最強の野菜スープは、キャベツ、玉ねぎ、にんじん、カボチャ、セロリだという。

 熊本大名誉教授、前田浩氏によれば、「生野菜より、煮て野菜スープにすると、抗酸化力が増す野菜に、赤、青シソ、レタス、三つ葉、ニンジンの葉等々がある。中でも大葉は抗酸化力が強い。そのゆで汁に多くの栄養素が抽出されるという」

 免疫力アップには、運動が欠かせない。少なくとも、一日30分以上のウオーキング、最低30回のスクワットが欠かせない。


 自然界には、人の感性に心地よく響く、ある周波数があります。小川のせせらぎ、海のさざ波の音、そよ風、音楽、絵画等々には、すべて「ゆらぎ」があります。これを 1/fゆらぎと言います。

 宇宙はビッグバンの無と揺らぎの中より生まれ、すべて揺らぎとリズムを持ち、自然も、人間も揺らぎの中にあるという。 

 家電技術では、1/fゆらぎの心地よさを取り入れた扇風機があります。

 人の呼吸や心拍数、体温等の変化は、一定のリズムを持ちます。1/fゆらぎは、このリズムにのっとり自立神経のバランスを整えます。

 順天堂大学教授 小林弘幸先生は、『なぜ、これは健康にいいのか』の自著の中で、

 「身体の健康とは、自律神経の、交感神経と副交感神経のバランスが保たれている状態である。

 ゆっくり早く動くと、なぜか身体の免疫力が上がるともいう。自律神経は、体内時計を司る。その自律神経をコントロールするのが呼吸である」と言う。

  山梨医科大学名誉教授、 田村康二先生によれば、人間は、三つの時計の中で暮らしている。

 一つ目は、太陽の運行が司る体外時計の「太陽時計」。二つ目は、親から受け継いだ時計遺伝子、これが「体内時計」である。

 三つ目は、この二つが複雑に絡み合った「生体時計」で、これが人の実際の暮らしを制御しているという。

 この生体時計は、人の個性と言われ、各個々人で相違する。これが各自の生体リズムを形成する。

 田村康二先生は、このリズムのバランスが、生体リズムの健康を左右する、と提唱する。

 体内時計24時間は、不規則な生活をしていると狂ってくる。

 しなやかに生きる為には、揺らぎとリズムの中で生活することが必要です。

 絵画の中にも、ゆらぎがあるという。

 音楽の流れの中にある旋律、コードやリズムの強弱が、人間の身体のリズム、1/f ゆらぎに響き、癒しの旋律と深く関わってくるのかもしれない。

 厳しい冬の季節の中にも、ふと、あの陽だまりの一瞬があります。そよ風と陽差しの強弱に、1/fゆらぎを感じる心地よさがある。

 ひとの身体のリズムと、自然界の持つリズムが同期し、心身が癒されリフレッシュされる一瞬である。心拍数も揺らいでいるという。


 アルバート・アインシュタイン医科大学教授、北里大学客員教授、新谷弘実医師によれば、朝、昼、夕食の一時間前に、コップ一杯の水を飲むことが健康に良いといいます。


 出来る限り、本物の絵画、音楽を鑑賞し、一級の料理等々を味わい、心底、感動したいものです。

 ときめき回路と感動する心を持ち続けることが、身体の免疫力を上げる健康の秘訣だと聞きます。

 いくつになっても、若さを保つには、常に、呼吸を整え、ときめきの心を持つことだと言います。

 以上、コロナウイルスに打ち勝つための処方箋の一助になれば幸いです。



詳細参考図書

ウイルスにもガンにも野菜スープの力/前田浩【1000円以上送料無料】

価格:1,320円
(2020/4/27 17:47時点)
感想(0件)





ハーバード大学式 最強! 命の野菜スープ【電子書籍】[ 高橋弘 ]

価格:733円
(2020/4/27 17:50時点)
感想(0件)







nice!(303) 

コロナウイルス、重大局面、そしてカミュ、小説「ペスト」 [社会]

皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。


 甲府市の中学生が手作りマスク600枚寄付
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200317/k10012336671000.html

 新型コロナ、世界で死者3万人超
 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6355534

 https://youtu.be/h-Hlw64NbpI

 https://youtu.be/6EJezf9qR_w

 https://www.financepensionrealestate.work/entry/2020/03/17/190653


 アルベール・カミュに「ペスト」という小説がある。ペストが蔓延する極限の社会で、神と不条理と格闘し、自らの使命と連帯に目覚める、医師、リューの物語だ。カミュはペストの不条理と人間への連帯を見事に描いて魅せた。

 カミュが描いた小説、ペストの世界は、地中海の小さな町の封鎖、隔離、経済の停滞等々と、今、現在の世界を巻き込んだコロナウイルスの蔓延とそっくり重なって見える。

 神が人間に与えた天罰なのか、人類に与えた重大な試練である。

 カミュは、アルジェリアの海と太陽の強いエネルギーの中で育った。

 カミュは、ペストの不条理と闘う閉鎖社会でも、神より人間を信じるヒューマンな視点を崩さない。

 時代の良心として、懐の深さを持ったカミュは「陽光を浴びて生きる者は、人生をしくじらない」という。

 1950年代初頭は、サルトル、カミュ、ボーボアール等々の、実存主義哲学が、一世を風靡していた時代であった。

 遠い日、カミュの著作の殆んどを読み、多大な感銘を受けた。不条理と格闘したカミュが、不条理な自動車事故で亡くなった時、深い悲しみに暮れたことを、鮮明に覚えている。


 100円ショップで、30枚100円のマスクを5000円以上で転売する愚劣な大人がいる中で、誰に言われるまでもなく、中学生は、自らの身銭を切って、マスクを寄付し他者に尽くした。この家庭環境を作り、教育を実践したご両親に敬服する。

 中学生の心は、あの仏教の教え、「無財の七施」に通じる。隣人に対し、いつくしみの眼差し、優しい笑顔、優しい言葉をかける。無償の徳を積むことに通じる。


 無財の七施

 財を何も持たぬ人でもできる徳がある。

 眼施(げんせ)やさしいまなざしで隣人に接する


 和顔施(わげんせ)にこやかな顔で隣人に接する


 言辞施(ごんじせ)やさしい言葉で隣人に接する


 身施(しんせ)自らの身体でできる奉仕をする


 心施(しんせ)隣人のために心をくばる


 床座施(しょうざせ)自分の席や場所を譲る


 房舎施(ぼうじゃせ)自分の家を困った隣人に一時、提供する

 
 福沢諭吉の名言に、「人生で一番尊いことは、人に奉仕をして、恩に着せないこと」がある。

 中学生は、無心でマスク寄付を思ったのであろう。困った隣人への見返りを求めない徳を積んだことになろうか。天は見ている。中学生の将来はきっと祝福されるに違いない。

 
 コロナウイルスを見くびってはならない。世界の国の蔓延、封鎖状況を踏まえ、各個人が、うつさない、うつらない、を徹底し、見えないウイルスと闘うゆるぎない覚悟を持たねばならない。

 不要不急の外出自粛要請が出る中、悲しいかな、今年の花見は見送りが賢明である。桜は来年も見られるであろう。しかし感染で失われる命は戻らない、再び会える箏もない。

 しかし、人の往来が途絶えれば、街の商売も、繁華街、観光地、企業の事業活動も、イベントやエンターテイメントも中止。

 特に、芸人、俳優さん達の、スケジュールキャンセルは、一年にわたるもので、その準備と努力は大変なものだと聞く。一年間費やした努力が無駄になる。急に再開と言っても簡単にできるものではない。

 よもや、都市封鎖などになれば、暮らしは成り立たず、経済は停止、大打撃を受ける。

 ささやかな日々の暮らしもままならない。

 感染爆発、医療崩壊につながらぬよう、一人一人が油断なく警戒せねばならない。 

 世界の感染爆発の重大局面を踏まえ、吾々が、この非常事態を乗り越える長期的な覚悟を持ち続けなければ、再び輝かしい明日は訪れないのかもしれない。


前投稿記事があります。よろしければどうぞ。
https://blog.ss-blog.jp/_pages/user/auth/article/index?blog_name=mwainfo&id=85518834


2020/4/05 追記

国際マスク争奪戦 コロナ感染爆増、マスク市場無法状態か。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200405-00000524-san-hlth


Shopping by your sccount
詳細参考図書

われ反抗す、ゆえにわれら在り カミュ『ペスト』を読む (岩波ブックレット) [ 宮田光雄 ]

価格:616円
(2020/4/11 19:45時点)
感想(0件)





ハーバード大学式 最強! 命の野菜スープ【電子書籍】[ 高橋弘 ]

価格:733円
(2020/4/27 17:50時点)
感想(0件)









 
nice!(282) 

渚の記憶、進化論 [社会]

皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。


 命には、二つの側面がある。進化論とエントロピーの法則である。

 命は、ダーウインの「種の起源」による生き残りを賭けた進化論と、完璧な秩序と組織を以って誕生する生命が、秩序崩壊、生老病死へ向かうエントロピー増大の法則を免れないことである。

 命は、時間との戦いである。有限な人生であるからこそ、命は輝くのである。

 隣人を愛し、家族と社会に貢献し、時には、死を賭けた犠牲も厭わない、崇高な任務を遂行する。

 命の持つ連帯感であろうか。

 地球の生命物質は、今から30億年前の海水の中で生まれたという。

 三木成夫、『「胎児の世界」によれば、この生命は、海から陸へ上陸する約1億年の間、水陸のはざま、波打ち際に暮らし、「母なる海」の波の砕けるざわめきを聞いていた。

 胎児は、母の胎内でこの波のザーという音を、十月十日、聞いて育つ。あの懐かしい母なる海、渚の記憶である。遠い命の生命記憶であるという』

 生命は、時間の進行、変化とともに、動植物を含め、常に進化、向上、発展する。

 アメリカには、進化論を拒否する多くの家庭が多いという池上彰の取材報告がある。学校に行かせると進化論を教えるから、学校には行かせず、家庭で母親が教育する。全米で1000万所帯もあるという。

 キリスト教原理主義の、「人間は神の創造物」だという信仰心である。その他、アーミッシュという、電気もガスも使わず、移動には自動車は使わず、馬車を使い、自給自足の生活を送る人々もいると聞く。


進化論、時代の進歩を拒否して生きることは、大きなストレスを抱えることになる。時の流れに逆らって生きることは、大きなエネルギーを必要とする。

 自然の流れに則り、対応、変化することが、新しい生きる力を生み出す。

 野を渡る風のささやき、空の高さを感じ取る生き方が懐かしいが、時代は常に動く。昨日、今日、明日と、自分は変わり進歩する。

 地球は平らに見える。太陽が動いているように見える。先人たちは、地球は丸く、動くのは地球であると看過した。

 頭や目だけで見るのは、見かけ上の幻想である。重心を下げて肚と心眼で観れば、風景が変わる。

 ヤジロベーの重心は、支点より下にある。支点の軸足を中心に自在に動き、倒れることはない。

 頭に血が上り、物事をぼんやり見ていては、物事の本質は見えてこない。正義も、価値観も多様化する。他者を認め、時代を認め、時の流れに柔軟に対応することだ。

 精神も肉体も、歳とともに老化する。

 いつまでも若くはない。歳相応の生き方が必要であろうか。時の流れとともに、すべてが変わる。

 渚のざわめき、潮風の匂いのなつかしさは、明日の生きる活力を生む。

 置き去りにされないように、他者を慈しみ、自在に、柔軟に生きたいと願う。


 参考図書  カルロ・ロヴェッリ 「時間は存在しない」

 







nice!(270) 

野生の哲学 [社会]

皆様方のいつも温かいご支援を感謝いたします。


 my challenger's log 一冊目は、

 こちら

 http://mwainfo.blog.so-net.ne.jp/ 

 より閲覧願います。


 野生の狼の強靭な生命力(WILD NATURE 地球大紀行)


 『野生のオオカミ母子 厳冬のアルプスを生き抜く

 イタリア・アルプスで命を落とした一匹のオスのオオカミ。
 ボスであったそのオスを失ったメスのオオカミは、群れを追われます。
 彼女には生きる理由がありました。彼女のお腹には6匹の小さな命が宿っていたのです。
 たった独り、アルプスの厳しい自然の中で出産をし、捕食者たちから身を護り、獲物を狩り、子供た ちを育てなければなりません。
 凍てつく雪と暴風の中で、危機的な飢餓状態が襲います。
 人間と牧羊犬を欺いて羊を襲おうと計画しますが、計算外のハプニングで家族にさらなる危険が…。
 母オオカミと6匹の子オオカミたちのイタリアからスイスまで1300キロに及ぶ旅路。
 その先には、いかなる結末が待っているのか?BBCのカメラが母オオカミと子オオカミたちの姿を 追います』BS朝日 地球大紀行再放送より引用

 「地球大紀行」は、「コトの本質」を書いた自然科学者、松井考典氏の企画、監修による1987年に始まった、地球、生命、人間、宇宙に関する壮大なシリーズドキュメンタリー番組であるが、「WILD NATURE 地球大紀行」は、BS朝日が放映する、英国BBC制作のオリジナルシリーズである。
 

 狼のつがいのオスは、自分たちの獲物を狙う熊と闘い瀕死の重傷を負う。メスは最後までオスに寄り添い、添い遂げる。オスを置いて逃げることはしない。

 オスが死ぬと、メスは群れの中に自分の居場所うなくなり、群れに帰ることはできない。ここからメスの、零下数十度の厳寒のアルプスを1300キロを移動する野生の生命力の強靭さを魅せる。

 野生とは何か。一つには、闘う本能である。生命そのものの中に内包する根源的な生き延びる生命力である。

 畳の上で人間に飼われる猫はネズミを捕らなくなる。犬も歯槽膿漏になるという。

 何でも手に入る文明や環境の中で、ぬくぬくと生きている人間たちは、野生の生命力を失ってゆく。

 生命のもう一つの側面、理性という、愛、貢献、連帯、犠牲等々も希薄になり、野生と理性のバランスが崩れてゆく。

 人間社会は、今、やわな様相を呈している。子殺し、親殺し、煽り運転、等々を見るがいい。他者も同じ命や正義を生きていることを忘れる。

 闘争力も、進化も、競争力に勝ち抜く意欲すら失われてゆく。チコちゃんではないが、ぼーっと、ぬくぬくと生きてんじゃねえよ、、である。


 吉野弘さんは「生きていることの懐かしさ」と言った。命が持つ他者との一体感であろうか。

 他者を認めつつ、フェアに闘うことを忘れる。格差社会を嘆くばかりである。

 かって、子供たちは、野山や原っぱを駆け巡り、遊びや喧嘩に明け暮れていた。仲間たちには、面倒見のいいガキ大将がいてそれなりに統率がとれていた。

 今、都会では、駆け巡る野山も原っぱも無く、ガキ大将もいない。ぶつかり合い、取っ組み合いの遊びと喧噪の中から自分を主張する場がなくなってしまった。

 大自然の中から生き延びる知恵を学び取っていたが、今は草食系などという、喧嘩も遊びもしない、ひ弱な男子が多くなったと聞く。男らしさ、女らしさが薄れてきたのだろうか。”ひとの匂い”が失われたのだろうか。
 
 宗教家でありながら、実社会に身を投じ活動する体験的哲学論者、町田 宗鳳氏が提唱する、 「野性の哲学」がある。

 逞しく生き抜く力は、自己の中にある野性の力である。癒しは、外ではなく、自己の内にあるものである、と言う。
   
 実社会を演釈出来ない学問、或いは、宗教は、その存在価値を失う。生きてゆくために必要なことは、癒しでも、救済でも、権力でもなく、他者を思いつつ、家族を、国を、世界の友を背負い、生き抜く強さなのであろうか。

 町田 宗鳳氏は、アメリカ暮らしの実体験から、アメリカ社会の底力には、未だに狼の逞しい野生の匂いがするという。

 ニューヨーク、マンハッタンには、世界の1%にも満たない富裕層、セレブ達の超高級住居群が林立し、ブロンクスなどの極貧層、ホームレスと対峙しているという。

 弱者救済などという行儀のいい理屈は通らない、まさに競争社会の勝ち組と負け組がはっきりしているという。

 狼の野生の本能に学ぶべき、競争心、闘争心むき出しの社会であろうか。

 町田宗鳳ホームページ

 https://www.arigatozen.com/ 

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BA%E7%94%B0%E5%AE%97%E9%B3%B3

 参考図書 「野性」の哲学―生きぬく力を取り戻す』(ちくま新書、2001年)


 
nice!(273) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。